Desire kiss
「まあ坂本達がいいんなら、別にかまわないけど」
ということで急きょ、バッティングセンターに決定。ゲームセンターも近くにあるからすぐに飽きることはないだろう。
小さい頃、4人で行った事あったっけと、思い出していた。勝負しようと言って結局決着がつかずに終わった。
確か駅を3つ越えたら、駅から歩ける距離で、バッティングセンターがあるはず。
「切符買わなきゃね、財布出しときなよ心菜」
「うん、じゃあ行こっか」
わーわーと黄色い声が聞こえるなか、注目を浴びてるのが恥ずかしくて少し早足に、切符を購入して、電車を待つ。
その間、やっぱり男子と女子が分かれる形になるのは仕方がないこと。
大木はいつものように喋りかけてくれて、他の人たちとも話す事が出来た。
「あ…、ごめんね。名前知らない子もいるから教えてくれると嬉しいな」
照れくさくなって顔に手を当てながら言うと、知らない子たちは笑ってくれた。
「心菜ちゃん、だろ。俺は竜哉。よろしく」
黒い髪を綺麗にセットしている子が自己紹介してくれた。
「うん、仲良くしようねー」
「小笠原和樹。隣のクラスだよ」
男バスでも強いと噂の子が話しかけてきた。
「おおっ、噂はお聞きしてます。バスケすごく上手いんだってね」
「え、なにそれ恥ずいな。そんなにうまくないよー」
「まったまた。時々男バス見てるけど、上手いなって思ってたんだ」
「お世辞でも照れるな。さんきゅ」
そうはにかんで笑った。