Desire kiss
「よおし。可愛い生徒からの情け深い言葉だ。心して受け付けろ」
「…っ」
ぽんぽんと頭を撫でる。
……くっそ、いつか絶対復讐してやる。気付けば心に強く誓っていた。
「じゃあ、席に座れ」
石井先生がそう言うとしょげくれながら席についた。
周りからの同情の視線が痛いくらい伝わってくる。
普段の数倍の威力で緑を睨んでやった。周りから見て恐ろしい目をしても気にしない。
「どんまい、心菜!明日があるさ!」
明日が、あるさ…なかったら死んじゃうよ。
女の子の高い声が隣から聞こえ、その相手を見た。
「零…」
優しく声をかけてくれたのは隣の席の零。
「ポジティブに受け止めるわ…」
じめじめ悩むな自分!カッコよく掃除しようではないか!そう思い、憂鬱極まりない一限目の数学を受けた。