Desire kiss
「お疲れ!心菜~」
長い長い数学の授業を終え、零や友達が笑いながら声を掛けてきた。
「数学って分かんないよ!Xの存在すらムカついてきた!」
ノートに目線をうつしながらううっと唸る。
「そうー?コツを覚えたら結構簡単にできちゃうもんだぞー?」
「零はいいよね!数学に関しては天才だから!」
零は、数学が得意だ。本当に羨ましい。
「いっそ、その脳みそ交換してよ」
羨ましげに頭を見つめ、冗談で言ってみる。
「いいじゃん、いいじゃん。心菜は国語が得意なんだから!」
「に、日本人ですから!」
「ぶーぶー」
零がぐりぐりと頭に手を押しつけてくる。とは言っても軽めだ。
「ま、健全な日本人の心菜は置いといて…」
友達はにやにやしながら勝と緑の方を向いている。勝は男子達と楽しげに声を上げながら笑っていた。
数人の女子がうっとりしながら見つめていたりする。
女子の視線独り占めにして!
くっそ、何であいつらがモテるんだろう?本当にこの世のミステリーだ!