Desire kiss
――でも、やっぱり私がみんなのお母さんにならなきゃと思って、部活より、家族を優先にする方が多かった。
あの事故以来、私は家族のお母さん的存在。
美羽はまだ小さかったっけ。
つい昨日のことみたいに脳に刻み込まれている。
「今日はみんなの好きなハンバーグでも作ってやるか!」
材料、家にあったっけなぁと思いだす。
そう張り切って、帰路を歩いた。零には、先に帰っててと言ってある。
今日は塾だったし、少し遅くなるだろうと思って。
零の家は勉強には厳しい。熱心な教育、を心かげているんだとか。
零いわく、鬱陶しくて仕方ないらしい。
でもなぜか国語の成績は私の方が上。数学はほんっとに賢い。