Desire kiss
「――…あ、勝」
勝が友達と、盛り上がる話題に笑って帰っている。
黒いエナメルバック。背の高いあいつは、やっぱり目立っている。
下校中の女の子とかラッキー!とかぼやいてる。
いつ見てもカッコいい。
緑と、勝は高校でも有名。
同じバスケ部で、結構強くって、練習は遅くまであるみたいだった。
バスケ一途。あいつはバスケと恋人。むかつく。
男バスといえばあの二人だよねっと語っている友達がはしゃいでたの分かる。
私たち、なかよしだったのに。公園でも、家でも皆――…
遠い存在に、なっちゃった。
どうしてだろう、あんなに近くにいたのに。
こっち見てよ。悲しいよ。
バカ。バカ勝!