Desire kiss



ずっと話しながら、「じゃーな」と友達と別れた勝は前を一人で歩いてる。


別れたとき、ちらっと私の方を見た。


でも、声をかけることはせず、知らんぷり。

部活の友達とは楽しそうに笑ってたのに、無表情。ムカつく。


話しかけてもくれてもいいじゃない。

小さい頃は「心菜ー!うわーん!」って後ろ追いかけてきたのに。泣いてたくせに。弱虫だったのに。


伸びた背中を、少し曲げてる。

猫背なアイツ。癖だって知ってる。背を伸ばしてピシンと歩けばいいのに。


「おい!カツカツ!」


あいつは勝田勝。かつたしょう。

勝つばかりで何となく気にくわない名前。


もう面倒だからカツカツでいい。それで十分だ。


カツカツサンドめ!!

< 29 / 122 >

この作品をシェア

pagetop