Desire kiss
ずっと話しながら、「じゃーな」と友達と別れた勝は前を一人で歩いてる。
別れたとき、ちらっと私の方を見た。
でも、声をかけることはせず、知らんぷり。
部活の友達とは楽しそうに笑ってたのに、無表情。ムカつく。
話しかけてもくれてもいいじゃない。
小さい頃は「心菜ー!うわーん!」って後ろ追いかけてきたのに。泣いてたくせに。弱虫だったのに。
伸びた背中を、少し曲げてる。
猫背なアイツ。癖だって知ってる。背を伸ばしてピシンと歩けばいいのに。
「おい!カツカツ!」
あいつは勝田勝。かつたしょう。
勝つばかりで何となく気にくわない名前。
もう面倒だからカツカツでいい。それで十分だ。
カツカツサンドめ!!