Desire kiss
っておい、無視。
むかー!なによ、反応くらい示してよ。
「勝田勝ー!呼んでるの!返事くらいしてもいいよね!」
「………」
歩くペースが一気に早くなった。ポケットに手を突っ込んで早足になっている。
重そうなエナメルバックを鬱陶しそうにしながら。
黒髪が風に揺れた。すごく、綺麗に思えた。
……無視ってどういうこと?!
私、そんなに嫌われてるの?
結構つらいなあ。
でも私、何かした?こんな奴、もう知らないって?
こうなりゃ、最終手段だ!
「この前カッコつけようとしたのか体育で滑ってこけたバスケ馬鹿―!!」
こっち、向いてよ。