Desire kiss
勝は意外にもぴくんと肩を揺らす。そして気付く。し、しまった…迷惑なほど、大きな声で言ってしまった。
でも、肩動いたから少しは効果があったようだ。ナイス私と思う。
勝とは、高校に入ってからはあんまり喋ってない。
家に作りすぎた煮物とか持ってお邪魔することも少しはあるけど…いつも部屋にこもってる。
そのことが悔しくて、きゅっと制服のスカートを握った。
目も合わせてくれない。興味も、示してくれない。
「っはん!私を無視するなら国語の成績をぬかしてからにしなさいよね!」
まったく、可愛くないセリフ。久しぶりに勇気出して、喋りかけたのに。
何なんだ、自分。