Desire kiss

「美羽―」

「うあーーい」

可愛い返事をしてちょこちょこと小さな体で、「何ぃー?」と、首をかしげた。


私にもこんな時代があったんだよ…と考える暇もなく、美羽にお仕事を頼んだ。


「パパ達起こしてきてくれる?ココ姉、その間にうんとおいしい、美羽が大好きな朝ごはんつくるから」

「マジで!?」


おい、どこでそんな言葉…。

でもにこにこと頷くと「殴ってでも起こすねー」と裏がありそうな幼女が去って行った。


ふう。

と溜息をついた瞬間に絶句。


調理後そのままと見られるキッチンがあった。一週間前に掃除したのに。異臭漂うトイレにも比例する。


昨晩、冷蔵庫あさった形跡があった。

           

この犯人は、あとで必ずシメる。

だけど、朝ごはんもお弁当も作らなきゃ。



「八宝菜―…」


昨日炊いたご飯と作ったみそ汁もあるから、あとは煮物と、卵焼きかな。実は、仁にそう言われると思って、昨日宿題する前にほぼ作っておいた。


見たいテレビがあってかなり急いだけど。

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