Desire kiss


混乱する思いを隠しながら、やっとのことで掠れる声を出すことだできた。


自分が都合よく見ている夢なのか、全然分からないー!


「じょ、冗談はよしてよ。勝、まだ寝惚けてるのなら離し…」

「黙れ…」


ひぃ!はい、黙ります…!


あまりにも理不尽な言葉に成すすべもない自分。


ちょ、そろそろ離してほしい。心臓が、もたない…視線で溶かされそう。

やだ…制服透けてるのに!


小さかった勝の力は、反抗もできないほど強い力に変わって悲しくなった。


勝自身、何かと葛藤しているように歯を噛んでいる。目線をそらしているけど、抑えつけた手の力を緩めようとはしない。


え、どうしたの…?と心配になる。

もしかして腹痛と戦っているんだろうか?


「勝、お腹…痛いの?」

「は…?」

< 97 / 122 >

この作品をシェア

pagetop