プリンセス〜かけがえのない人〜
「まあそう焦るな。…次の『みあい』の相手だがな……」
…やっぱり。
俺は最近、親父にしつこく結婚のことを問い正されていた。
実際、俺自身もちゃんと考えている問題だったし、
親父にとやかく言われる筋合いはないはずなのに……。
親父いわく、「適齢期」らしい。
…つっても俺まだ18だよ??
ぜってー早いって。
それに…
「だから!!俺は俺が自分で選んだやつと結婚したいんだって!!!」
そう…。
これは絶対に曲げない俺の意志。
「そうはいってもだな…。もうそろそろ決めんと……。
わしもそう長くは生きれんじゃろうし…」
「こういうときだけ持病使うなんて卑怯だぜ、親父」
「……こほん」
家来の1人がひとつ咳払いをした。
やべ、今のは言葉が悪すぎたか……。
「ま、いずれにせよ、おまえは恋などせんよ。…私と同じでな」
そう言って王様は部屋を出て行った。
「……さて、と」