プリンセス〜かけがえのない人〜

「まあそう焦るな。…次の『みあい』の相手だがな……」

…やっぱり。
俺は最近、親父にしつこく結婚のことを問い正されていた。
実際、俺自身もちゃんと考えている問題だったし、
親父にとやかく言われる筋合いはないはずなのに……。
親父いわく、「適齢期」らしい。
…つっても俺まだ18だよ??
ぜってー早いって。
それに…

「だから!!俺は俺が自分で選んだやつと結婚したいんだって!!!」

そう…。
これは絶対に曲げない俺の意志。

「そうはいってもだな…。もうそろそろ決めんと……。
わしもそう長くは生きれんじゃろうし…」

「こういうときだけ持病使うなんて卑怯だぜ、親父」

「……こほん」

家来の1人がひとつ咳払いをした。
やべ、今のは言葉が悪すぎたか……。

「ま、いずれにせよ、おまえは恋などせんよ。…私と同じでな」

そう言って王様は部屋を出て行った。

「……さて、と」
< 10 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop