プリンセス〜かけがえのない人〜
princess#
「お嬢様、王様がお呼びです。」
「………。」
「お嬢様っ!!」
「ははははいっ?!」
お嬢様…ってあたしの事か。
そーだよね、
てかあたししかいないか…。
「しっかりしてくださいよ〜。
早くこの生活にも
慣れていただかなきゃ
いけないんですからっ。」
……はい。
慣れていただかなきゃいけないんですから…って、
そんな早く馴染める訳ないでしょっ!!
「それじゃあ、王様の所へ行きましょう。
こっちです。……早く!!」
なんで急がなきゃなんないのよっ。
あたしはスパイじゃないっつーの!!
……『お嬢様』の専属の家来とかいうやつに突っ込みを入れながら、
あたしは今日の出来事を振り返っていた。
あの、
あたしの人生を変えた出会いを───。