プリンセス〜かけがえのない人〜

気づいたらあたしは、校門の前に立ってた。

さっきまでいろんな人の声がしてたのに、今は誰の声も聞こえない。

それどころか、何の音もしない。

いままでいた人達が、みんな消えて、モノだけの世界になってしまっていた。

なに??
何が起きたの???

あたしはなんにも理解できなくて、ただこの不思議な光景を目の前に
立ち尽くすしかなかった。

「…どーなってんの……?」

「驚いた??」

え…?!!

ぱっと後ろを振り返ると、いつのまにそこにいたのか、見知らぬ男の子が立っていた。

「だ…誰??」

「俺?俺のことなんかどーだっていいじゃん。
それより、君、五十嵐天音(いがらしあまね)サンでしょ??」

「え…そーだけど……」

あたしが聞いてんのに、なんで聞きかえされなきゃなんないのよっ?!

「よし!!!じゃあ行こう」

へ??

「ちょ、ちょっと待ってよ。どこ連れてく気?!!」

「あれ?聞いてな~いのぉ~?!
ふ~ん…そっかそっか。ま、来ればわかるから」
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