ﾌﾟﾘﾝｾｽ〜かけがえのない人〜

「…いやっ!!!行かないっ!!!!!」

あたしは男の子の手を振り払って言った。

「ばっかじゃないの。誰が見ず知らずの人についてくんだっつーの!!!」

「…へぇ～」

その男の子の目が、すごい透き通ってて……
思わず吸い込まれそうになった。

「な、何っ？」

「…いや。ただ、俺に逆らうと……」

え―――。

「やっ…//ちょ……」

「よっ…と♪」

あたしはいつのまにかお姫様だっこされてて…。

「やだ、早く降ろしてっ!!!」

「しっかりつかまってろよ!!!『お嬢様』!!!!!」

次の瞬間、ビビビビッ…って音がして、
あたし達は、この音のない世界から消えていた……。