プリンセス〜かけがえのない人〜

「ふはっ」

「な、なんで笑うのよっ!!」

初めて見せた男の子の笑顔に、一瞬ドキッっとしながらも、
質問に答えてくれないことに腹を立てていたあたしは、
つい強く言ってしまった。

「わりぃわりぃ。……っあ、やっべ……」

ん??
男の子が見ている方向に目をやると、誰かがこっちに走ってくる姿が見える。
あれは―――誰?

「おい、天音サン!!あいつがおまえの専属の家来だから!!!
あとはあいつについてけばなんとかなる。…じゃあ俺はここでっ!!!!」

そう言って男の子はどこからともなく1本のほうきをとりだした。

「っえ!!ちょっ…」

「じゃあな」

男の子はそのほうきにまたがったかと思うと、ふわっと宙に舞い、
やがて飛び去っていった……。

ほうきって……。
何者なの?!!まさか魔女?!!
いや…魔女って……女じゃないし…。

「―――はぁ…はぁ…。お、お嬢様っっ!!!」




< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop