プリンセス〜かけがえのない人〜
「ふはっ」
「な、なんで笑うのよっ!!」
初めて見せた男の子の笑顔に、一瞬ドキッっとしながらも、
質問に答えてくれないことに腹を立てていたあたしは、
つい強く言ってしまった。
「わりぃわりぃ。……っあ、やっべ……」
ん??
男の子が見ている方向に目をやると、誰かがこっちに走ってくる姿が見える。
あれは―――誰?
「おい、天音サン!!あいつがおまえの専属の家来だから!!!
あとはあいつについてけばなんとかなる。…じゃあ俺はここでっ!!!!」
そう言って男の子はどこからともなく1本のほうきをとりだした。
「っえ!!ちょっ…」
「じゃあな」
男の子はそのほうきにまたがったかと思うと、ふわっと宙に舞い、
やがて飛び去っていった……。
ほうきって……。
何者なの?!!まさか魔女?!!
いや…魔女って……女じゃないし…。
「―――はぁ…はぁ…。お、お嬢様っっ!!!」