プリンセス〜かけがえのない人〜
prince#
ピピピピッ…ピピピピッ…
「……ふぁ~」
あー眠い。
目覚まし時計を止めて、カーテンを開ける。
今日もいつもと変わらない1日が始まる……。
でも、
今日は特別な日。
―――俺があの計画を思いついたのは、ただの偶然だった。
たいてい俺は城の自分の部屋にこもって、ヒマしてるか寝てるかの
どっちかで、まあつまらない生活を送っている。
城に住んでる人間ってのは大方そんなもんだろ。
何で俺は、桐原家になんて生まれてきたんだろうって、ときどき思う。
そんな、ある日のこと…。
俺は親父に呼び出しをくらった。
「……失礼します」
「うん。…そこに座れ」
親父とはいっても、俺が王子だから親父は立派な王様というわけで……。
親子の間でもかたくるしいあいさつを交わさなきゃならないのって、
息苦しいといつも思う。
「今日おまえをここに呼んだのはな…」
「わかってる。……俺なりに考えてるよ」
だいたい予想はついていた。
まあ、きっとあのことだろう……。