神龍の宴 覚醒の春
16年前…。


ハダサはまだ12歳の子供だった。


当時ハダサの父親は私設孤児院を持っていて、月に1度はハダサを連れて視察に訪れていた。


孤児院は主に戦災孤児を受け入れており、国内外の15歳未満の人種の違う子供達がたくさんいた。


中には戦災で全てを失ったものの、他国の由緒正しい王侯貴族の子弟なども少なくなかった。


そこでハダサは、アデュセス・リーン、通称アデュスと呼ばれる一人の少女に出会った。


アデュスと初めて出会った時の事は、今でも鮮明に覚えている。


まばゆいブロンドの髪、神秘的な紫の瞳。


戦災の影響で声が出なくなり、いつも物憂い表情をしていたが、子供心にも美しいと感銘を受けるほど綺麗な少女だった。








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