極上ブラザーズ!!(仮)
「な……なんなのよー!」
自分勝手すぎる!!
でも行かないと後が怖いよね…。
うう。颯太くんに断らなきゃ。
「ど…どうしたの?美優ちゃん」
ポカンとした表情の颯太くん。
ああ、せっかく…頑張って告白の返事しようと思ってたのに、ムードぶち壊しだよ…。
「ごめん。ちょっと家の人から呼び出されちゃって」
「執事さん?やっぱり、美優ちゃんってお嬢様なんだなっ」
明るく言われて、何て反応すれば良いか分からなかった。
お嬢様じゃないし、執事さんでもない…。
だって養子だし、さっきの電話は翔くんからだから。
「……そっかな。行かなくちゃならなくなったの。ホント、急でごめんね?」
「いいよいいよ。全然行ってきて!」
颯太くんは一瞬暗い表情をしたけど、すぐに笑って見送ってくれた。
……本当にごめんね。
何度もそう言いながら、私は走って屋敷へと急いだ。