極上ブラザーズ!!(仮)
やっぱり、
赤の他人がこれから家族なんて無理なのかな…。
そう思った時、おじ様の「美優ちゃんを養子にしたいんだ」という言葉が頭に過ぎった。
――私はおじ様の優しさを無碍にするつもり?
でも、彼らとどう接すればいいか分からない。
笑顔で接しても礼儀よく接しても――ダメ…。
私はただ俯き、自分の足を見ることしかできなかった。
「あのさ。
鬱陶しい空気まき散らかさないでくれる?
こっちまで気分悪くなる」
翔さんがため息混じりに、私の方を見る。
「ご、ごめんなさい…!
私――」
重苦しい空気に耐えられず、涙で視界が滲む。
そんな私を見てか翔さんは機嫌悪そうにドカっとソファーに座った。
――ひぃぃ、怖いっ……
「翔。この子、仮にも両親亡くしてるんだから。
ちょっとは気を遣ってあげて下さい」
遼さんの優しい言葉に、胸が温かくなった。
なんだ……、そこまで悪い人達じゃないのかも。
なんて私が安心したのもつかの間。