極上ブラザーズ!!(仮)
Chapter8.Library Wars
「ふああああ」
大きな欠伸。
それが、授業中だったのを忘れて出てしまったのが運のツキだった。
「……お前、余裕だな」
数学の先生、インテリちっくで銀縁の眼鏡をつけた――氷室先生がニヤリと笑っていた。
こ、この先生……噂で聞いたことがある。
生徒に嫌味を言うのが趣味ってぐらい意地悪な先生だって……。
「あ、は、はは……」
私は顔を引きつらせて笑うことしか出来なかった。
「放課後、職員室まで来い。分かったな。強制だ」
本当に有無を言わさない口調。
目は嬉しそうなのは気のせい……だよね?
「……はぁい……」
――さ、最悪……。
私がガクリと肩を落とすと、先生は愉快そうに笑みを浮かべ教壇へと戻っていった。