極上ブラザーズ!!(仮)




「おい、泣き虫。そこで何してるんですか?」

「え……」


廊下をとぼとぼと歩いていると急に呼び止められた。


「……遼さん」


いつもだったら怖いって思っちゃうのに、
今に限ってはすごく安心する。

なんでか分からないけど……。


「何で泣いてるんですか?」

「べ……っ別に泣いてなんか」


目をこすると、指先が濡れていた。
泣くほど悲しかったの……?

――私、もしかして。


ゴクリと喉を鳴らす。


……翔くんのこと……

好きになってる……?



< 130 / 169 >

この作品をシェア

pagetop