極上ブラザーズ!!(仮)
「おい、泣き虫。そこで何してるんですか?」
「え……」
廊下をとぼとぼと歩いていると急に呼び止められた。
「……遼さん」
いつもだったら怖いって思っちゃうのに、
今に限ってはすごく安心する。
なんでか分からないけど……。
「何で泣いてるんですか?」
「べ……っ別に泣いてなんか」
目をこすると、指先が濡れていた。
泣くほど悲しかったの……?
――私、もしかして。
ゴクリと喉を鳴らす。
……翔くんのこと……
好きになってる……?