極上ブラザーズ!!(仮)
「禁断の恋、はつらいですよね?
しかも君は尚更です。僕のお父様に、拾ってもらった身分にも関わらず、お父様を裏切っている」
「……」
おじ様の顔が浮かぶと心が痛い。
苦しい。
私は俯くと、遼さんは私の顔を覗き込んで、さっきとは違う穏やかな笑顔で囁いた。
「僕は君を助けたいんです」
私の肩を掴んでいた手をそっと優しく腰に回す。
そしてふわりと羽のように軽く抱きしめた。
「……全部、話してくれませんか?」
優しく耳元で囁かれる。
――ここまで、遼さんは私を心配してくれている。
おもってくれているんだ……。
遼さんの好意に心が温かくなる。
私は嬉しくなって、今までの気持ちを全部遼さんに話した。
翔君が好きになったこと。
だけど、諦めるという決心をして、告白してくれた他の男の子と見ようと思ったこと。
話すだけでも少しはこの胸の痛みも消えるかな……なんて、そんな期待も込めながら。