極上ブラザーズ!!(仮)
「楽しいショーの始まりだと言ったでしょう……?僕が自分を助けると本気で思っていたのなら、本当に滑稽で愚かな女ですね」
「……!!」
冷たい水を全身にかけられたような、そんな衝撃が走った。
信じてたのに。
優しそうな声に温かい仕草、全てを許してくれる笑顔。
全部全部、
私を騙すための嘘だったの……?
あんな穏やかな瞳で嘘をつく遼さんが怖い。
私は何も言い返せずただ、唇を噛んだ。
「さぁ、どうしましょうか。僕はお父様にこのことを言ってもいいんですよ?」
遼さんの口元が怪しく歪んだ。
――この人、本気だ。
何をしでかすか分からないオーラを纏っている。
本当に、おじ様に言うつもりでいる……っ!
「それだけは、言わないでください!私、おじ様は……絶対、裏切りたくないんです!翔君のことは最初から諦めようって思ってますから、ですから――……っ!」
私は必死に縋りついた。
かっこ悪くても、無様でも何でもいい。
とにかく、おじ様を失望させたくなかったんだ。