極上ブラザーズ!!(仮)



そのことを認めたくなくて。
私はその場から逃げ出した。



「……ごめんなさいっ!!」


廊下を走っている時に、
初めて氷室先生に頼まれていたことを思い出した。

どうしよう……。
戻らなくちゃ。


だけど、戻りたくない。

戻ったら本当に、遼さんの下僕になるの?
私は妹になりたいのに。
もっと対等な関係でいたかった。

仲良くなりたかった。


でも裏切ったのも私なんだ……。


そう思うと胸が苦しくて、どうすればいいか分からなくて。
私はまた……涙が溢れ出した。



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