極上ブラザーズ!!(仮)


「ほら、コーヒー飲め。これで少しは落ち着くだろ」


先生は温かいコーヒーを差し出してくれた。


「……」


私、本当はコーヒー飲めないんだけどな。
でも先生が好意で差し出してくれているのに、
飲めないなんて言えなかった。
ううん、言いたくなかった。


一口飲んだコーヒーは苦くて、
でも何故か少し甘くて、ほっとした。



「……古川」

「何ですか?」

「本はもういいよ。ただし、俺の手伝いをしてもらうからな」

「え……」


数学準備室の古いテーブルの上に、
先生はどん!と大量のプリントを広げた。


「げー…。これ、全部ですか?」

「ああ?文句があるのか?」


ギロリと先生が私を睨んだ。


「い、いいえ!とんでもございません!!」

「ならよろしい。分かったのなら俺が重ねたプリントをホッチキスで綴じろ」

「分かりました!」


先生に渡されたホッチキスで私は単純な作業を続けた。




< 151 / 169 >

この作品をシェア

pagetop