極上ブラザーズ!!(仮)
「ほら、コーヒー飲め。これで少しは落ち着くだろ」
先生は温かいコーヒーを差し出してくれた。
「……」
私、本当はコーヒー飲めないんだけどな。
でも先生が好意で差し出してくれているのに、
飲めないなんて言えなかった。
ううん、言いたくなかった。
一口飲んだコーヒーは苦くて、
でも何故か少し甘くて、ほっとした。
「……古川」
「何ですか?」
「本はもういいよ。ただし、俺の手伝いをしてもらうからな」
「え……」
数学準備室の古いテーブルの上に、
先生はどん!と大量のプリントを広げた。
「げー…。これ、全部ですか?」
「ああ?文句があるのか?」
ギロリと先生が私を睨んだ。
「い、いいえ!とんでもございません!!」
「ならよろしい。分かったのなら俺が重ねたプリントをホッチキスで綴じろ」
「分かりました!」
先生に渡されたホッチキスで私は単純な作業を続けた。