極上ブラザーズ!!(仮)
「…………忘れろ」
私が、パチンとホッチキスでプリントを綴じていると先生がぼそっと呟いた。
「……へ?」
「な、何でもない。作業を続けろ」
先生、もしかして私のこと気にしてくれているのかな?
泣いている理由も聞かずに、ただこうやって隣にいてくれている。
いつもだったら生徒にコーヒーなんて絶対出すような性格じゃないことだって私は気付いてた。
「何を勘違いしているんだ、このバカ生徒め」
嬉しさで顔が緩んでいたのか、先生がむすっとした顔でプリントを重ねていた。
「……勘違いでもいいんです。
嬉しいから」
先生の不器用な優しさが心に染みたんだ。
「やっぱりお前はバカだな」
そんなこと言われても、ただの強がりにしか思えなくて私は口元が緩みっぱなしだった。