極上ブラザーズ!!(仮)
結局下校時間ギリギリまで、
先生のお手伝いをさせられて私は下駄箱へと向かった。
だけどどうせ家であったら、
私はまた遼さんに脅されて『下僕になれ』と言われるんだ。
……バカみたい。下僕だなんて。
なんで私を脅してまで、下僕にさせたいの?
遼さんにメリットなんかあるの?
分かんないよ。
頭が良い遼さんが、そんなバカなことする理由が理解出来ない。
「みゆーちゃんっ♪」
「……颯太君」
振り向くと、颯太君が笑いながら立っていた。
「もしかして、私のこと待っててくれたの?」
下校時間ギリギリまで残っている生徒なんて、
部活している人たちぐらいなのに。
「ううん。そんなんじゃないよーっ。たまたま下駄箱に美優ちゃんがいたから、
走ってきちゃったんだ」
「……え?」
颯太君、こんな時間まで学校に残って何をしてたんだろう?
部活活動はするつもりないって言ってたのに……。
ふと気になって、そのことを聞こうとした。
「ねぇ、颯太君」
「美優ちゃん!今からちょっとだけ付き合ってくれない?」
「ふぇ!?」
急にグイっと手を掴まれ、足がもつれたせいで
私の身体がぐらりと揺れた。
「……きゃ!」
私の腰に手を回し、颯太君が支えてくれる。
「あ、ありがとう……」
「ううん。それより、ね、早く」
「……う、うん」
こんな強引な颯太君見たことない……。
少し不安を覚えつつ、私は颯太君に従って、歩き始めた。