極上ブラザーズ!!(仮)
「なんで“他人”の貴方が彼女の心配を?」
颯太君は食って掛かるような目つきで、
翔君を見た。
……馬鹿な私はようやく理解した。
颯太君は気づいてる。
私達の関係を知っている。
知った上で、今わからないフリをしてるんだ。
「……お前」
翔君はふっと笑った。
「俺がそんな脅しに乗るとでも?バラせばいいんじゃない」
「何をですか?先輩」
「わざわざお前に教えてやるような親切心はないよ」
そう言って翔君は私の手を握る。
温かい手からは翔君の優しさが流れてくるみたいで、
今まで緊張してたはずなのに心地良い安心感に包まれた。
「今度こいつに手を出したら、
お前……タダじゃすませないから」
今までにないぐらい低い声で、翔君は颯太君を睨んだ。
だけど、颯太君はいつもの飄々とした笑顔でにこっと笑って……
「また、明日ねっ。美優ちゃん!」
手を振った。