極上ブラザーズ!!(仮)
「どこに……どこに行くんですか?」
ぐいぐい引っ張られて、屋敷の奥に行く。
この屋敷は使われていない部屋が多く、
私もまだ立ち入ったことがないところも多かった。
「……君の飼育部屋」
そう言って妖しく楽しそうに笑う遼さん。
「え……?」
シイクベヤ?何の意味か理解出来ずに私は遼さんの顔を伺った。
「愚かな君にはもう一度言わないと分かりませんか?」
くいっと顎を捕まれ「君専用の部屋だよ」と低い声で囁かれ、
私の背中に冷たいものが流れる気がした。
反射的に足がすくむ。
「わ、私。用事を思い出したので……」
遼さんの手を振りほどこうとしたら、
急に肩を抱き寄せられた。
「あの……?」
私が戸惑っていると、
「ん……!?」
強引に遼さんに口付けをされた。
「……ん……ふ……何ですか?驚いた顔して」
かすれた声で遼さんは微笑む。
「だって……キ、、ス……?」
「お前は僕の下僕なんだから、反抗してはダメなんですよ」
まるでこの行為がお仕置きみたいな言い方。
「そんな……」
「はぁ……ん……こうやって、キス、されて……大人しくなるんだから、僕としては好都合ですけどね……」
「や、だ……」
「何が嫌なんです?そんな顔を紅潮させて。僕を受け入れているくせに……」
愛のないキスなんてされても嬉しくない。
嬉しくないのに……なんでされるがままになってしまうの?
私は、好きな人とこういうこと、したかったのに……。