極上ブラザーズ!!(仮)


「私は……遼さんと仲良くなれた気がしていました……」

「へえ。それはそれは、勘違いも甚だしいですね」

「でも、嘘をついて翔君を好きになって、遼さんを、おじ様を裏切ったことは本当に悪かったと思っています」

「……」

「だけど!そうだとしても!こんなの、納得出来ません……っ」


悪いのは私だけど、
こんな監禁まがいなことが許されるとはどうしても思えなかった。


「私は“妹”として、貴方に見てもらいたい!」



私がそう言うと、遼さんは歪んだ顔で私を見下ろした。


「――僕はお前を妹として認めていない。これから先も認めませんし、認めるつもりもない」
「え……」
「紙切れだけの“契約”のくせに、よくもそんな思い上がれますね」
「……」

そんな……。
どうすればいいの……?


足に力が入らなくなって、ふらつくと遼さんが腰に手を回して支えてくれた。



「……ん……君はこうやって……僕に抱かれていればいいんですよ。
何も考えず、お父様のことも考えず、僕だけを見ていればいい」

「遼さんは……私のこと嫌いなのに…なんで?なんでこんなことするんですか?」


「……はっ。お前は本当に自分の良い方向に勘違いする天才ですね」
「え?」
「ずっと昔から――君のこと、憎んでた。ずっとずっとずっとずっとずっと……」

壊れた人形のように繰り返される言葉が怖い。
それに私は昔遼さんに憎まれるようなことをした覚えなんてない。
春に初めて出会ったはずなのに……。



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