極上ブラザーズ!!(仮)
怖い。怖いよ……!
誰かと間違ってるのかな?
私のことを憎いという遼さんが怖くてたまらなかった。
翔さんの顔が脳裏に浮かぶ。
「翔さん、助けて……!」
心のなかで言ったつもりが口に出ていた。
もちろん、遼さんにもその言葉が聞こえてしまった。
「……翔なら来ないですよ。あいつは僕に逆らえないから」
「え……?」
「一応、僕は兄ですしね」
ニヤリと口の端が歪む。
周辺の空気もすべて変わってしまったように思えた。
「さあ、僕の、僕だけの下僕。ベッドに寝て?」
新しいおもちゃを見つけたような弾む声で紡ぎだされる言葉は、
甘くて残酷だった。