極上ブラザーズ!!(仮)
「な、何ですか…?」
翔さんが怖い。何より――無表情なのが……コワイ。
「別に」
口の端だけで笑みを作り、ふと手を私の顔に近づける。
そして、翔さんは私の顎をくいっと強く掴んだ。
「――!!!」
細い体とは似つかない物凄い力で、
無理やり上を向かされ、じっと見つめられる。
翔さんと視界が絡み合う。
「いっいた…っ」
"単に図書館で勉強するだけなんです"
そう言いたくても顎を強く掴まれてて声が出ない。
ぐいぐい顔が近づいてきて、
予想以上に綺麗な翔さんの顔が私の瞳に映った。
細い体で、背が高い。
釣りあがった目に、
女の人並みの肌の白さ。
――まるで、蝋燭の彫刻みたいに良くできた人形みたい。
彼の無表情さが更にそう思わさせる。
……綺麗すぎる。
こんな状況なのに、
少しだけ胸がトクンと音を立てた。
わ、私ってば…
こんなことされてるのに…
なんでドキドキしちゃってるの!?