極上ブラザーズ!!(仮)
リビングに案内されると、豪華絢爛な調度品ばかり。
やっぱりおじ様の豪邸なんて私には場違い…。
落ち着かなくてキョロキョロ見回す私に、高瀬さんはクスリと笑いを洩らした。
「そんな緊張なさらないで」
紅茶を出す仕草も、とても優雅で。
良い香りが部屋いっぱいに広がる。
「あ、す、すいませんっ」
私は意味もなく謝りだす始末。
そんな私を見て笑うわけでも、貶すわけでもなく――高瀬さんはずっと穏やかな表情を崩さなかった。
しばらく他愛もない話をしていると、彼女は急に声を沈めた。
「…あの…ごめんなさい。
お疲れのところ申し訳ないけど、
おぼっちゃまがいらっしゃらない内にお話ししたい事があるの」
少し困った微笑みを浮かべる高瀬さんに、私は戸惑いながらも頷いた。
……なんだか、嫌な予感がするのは気のせいかな。…そうだよね?