極上ブラザーズ!!(仮)
私が不安そうな表情を浮かべていると、高瀬さんは少し瞳が揺らぎ、そして口を開いた。
「実は…彼ら――貴方の兄になる人達はね。少々気難しいところがあるの。
最初は戸惑うかもしれないけど、気をつけて欲しいんです」
真剣に話す高瀬さんの瞳には一点の曇りもない。
…今から、一緒に住まなきゃいけない私に、そんなこと言うなんて。
それほど重大なこと?
気難しいって怖いってことかな……
優しいお兄ちゃんとの同居、なんていう私の甘い夢は早速砕け散った。
「…分かりました」
これからやっていけるのか、ますます不安になって私は俯いた。
そんな私を見かねてか、高瀬さんが「あと、これね」と奥から何かを取り出してきてくれた。
「入学予定の高校のパンフレットなの!」
丈夫な紙で出来た、綺麗なパンフレットを手渡される。
「あ…ありがとうございます」
私はおずおずと受け取った。
入学する高校はおじ様が経営する桜ケ丘学園。
有名なお金持ち私立高校だと風の噂で聞いた。
素敵な高校だとは思うけど、
私には場違いな高校であることは間違いない。
パンフレットに目を移すとみんな、
上品そうで生まれも良家の子達ばかり。
この中に私も入学する、だなんて……考えただけでも少し気が重い。
だけど、おじ様の学園――それだけで私は入学する覚悟は出来ていた。