極上ブラザーズ!!(仮)


「じゃ。私遼さんにも渡さなきゃなので」


私が帰ろうとすると、
翔さんは私の手首をつかんだ。

「…?どうしました?」

「俺が呼び出す。
遼は多分、女に囲まれてるだろうからね」

「え!?いいんですか?」


翔さんの優しさに口元が緩んだ。


「別に。お前が桜ケ丘入学したときに目つけられてもいいんなら、
俺は構わないけど」


携帯を持ったまま、翔さんはニヤリと笑った。


「い…いやっ。
お願いします。ありがとうございます!」


なんだかんだで、
翔さん優しいんだな。


「素直にそう言えば、いいのに」


そう零しながらも、
携帯で遼さんを呼び出してくれた。



やっぱり高瀬さんが言ってた、
根は優しいって本当だったんだね――。



…ちょっと素直じゃないけど…(笑)



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