極上ブラザーズ!!(仮)
「待って下さい」と呼びとめたけど遼さんは、教室を出て行った。
「俺も…
大人げなかったかな」
翔くんは、窓から空を見ながら呟く。
私…
また失敗しちゃった……
なんでいつもいつも…!
こんなことになっちゃうの。
悲しくなって、
私は教室の地面にへたり込んだ。
「お、お前…
泣いてるの?」
いつの間にか、
私の頬に涙が伝っている。
翔くんは一瞬びっくりした表情をしたけど、すぐにいつものポーカーフェイスに戻った。
「…ま、遼のことだし、大丈夫なんじゃないの?」
さっきまで空を見ていた翔くんは、
しゃがみ込んで私の頭をポンポンと撫でる。
励ましてくれてるのが分かって、
嬉しくなった。
でも、私…
背中を押してもらってるばかりじゃダメなんだよ。
きっと。
私は、立ちあがった。
「ありがとう。私…でも…遼さん連れ戻しに行く!」
いつもおどおどして、
どうすればいいの?って悩んで。
高瀬さんにいつも泣きついて。
今だって、私――
翔くんの前で泣いてる。
頼ろうとしてる。
こんなだから、
遼さんに嫌われちゃうんだ。
頑張らなきゃ、なんて口だけだったんだもの。
だから今度こそ――