極上ブラザーズ!!(仮)
「遼さんっ!」
遼さんの後ろ姿に向かって叫ぶ。
「…なんですか。
さっきの僕の言葉忘れたんですか?」
後ろを向いたまま、
遼さんは答えた。
いつもより少し低い声で、
拒絶されていることは一目瞭然だった。
だけど、分かって欲しい。
私の気持ちを。
そして――
遼さんの気持ちを少しでも解りたい。
「…ごめんなさい。
他にどう呼べばいいか分からなくて」
「…それもそうですね。
ま、遼さんでも別にいいですよ」
ため息混じりに話す遼さんに追いついて、
私は遼さんの目の前に立った。
戸惑った顔の遼さんが目に入る。
「――っ!なんですか」
遼さんの瞳が暗く濃くなる。
(――怖い!)
だけど…このままじゃダメなんだ。
「私、世界一嫌いと言われて、
悲しくて……だから…
顔を合わせづらかったんです。
だけど…
分かったんです。
悲しんでばかりじゃダメだって」
吹っ切れたように今まで山積していた気持ちを遼さんにぶつけた。
「そうですか」
でも依然つまらなそうな遼さんに、
私は思い切って叫んだ。
真っ赤になりながら。