極上ブラザーズ!!(仮)
「わぁー…」
桜ケ丘学園と名に相応しいぐらい、
桜の木が校門のサイドに植えてある。
そして、まるで洋館を彷彿させるような校舎。
――中世ヨーロッパに迷い込んだみたいな建造物のデザイン。
私は一瞬で目を奪われた。
こんな素敵な学校で3年間も、
過ごせるなんて…。
「おっ。
美優ちゃん!おはよー」
校門の前で感動している私に、
元気よく颯太くんは挨拶してくれた。
「颯太くん!
おはよう」
颯太くんの周りには男の子も女の子もたくさんいて、
ひと際目立っていた。
お友達かな?
でも、『誰この子?』『颯太の彼女?』ってひそひそ話されてて
ちょっと気まずい。
…どうしよう。私、邪魔、だよね…。
「あ、私…行くね!」
「え、あ。美優ちゃんっ!!」
私は思わずその場から逃げてしまった。
颯太くんも黒崎兄弟と負けず劣らず人気あるのね。
知らなかったや。
でもなんか納得かも。
あんな人懐っこい笑顔を見せられたら、誰でも打ち解けやすくなると思う。