極上ブラザーズ!!(仮)



入学式は、やっぱり…退屈で、眠気との狭間で目を開いたり…閉じたり。


さっきまでの緊張感は吹っ飛んでいる。


――早く終わればいいのに。

心の中で呟きながら、本日何回目かも分からないあくびをした。



「ではお次は在校生代表 黒崎 遼くんによる挨拶です」


司会の人が発言した瞬間、
ずっと静かだった会場はざわめき始める。

『遼様だわ』
『早く見たいー♪』

そんな女の子ヒソヒソ声があちこちで聞こえた。


私も眠気なんて、どこへやら。


……さっきまで話していた遼さんが、こんな騒がれてるなんて不思議な感覚。


私は、ステージに上がっていく遼さんを見て、何故だか誇らしくなった。


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