極上ブラザーズ!!(仮)
「なっなんでもないの……あ、あはは」
下手な愛想笑いをする私に、颯太くんは不思議そうな顔をしている。
朝のように周りには颯太くんの知り合いはいなくて本当に助かったよ。
一人でガッツポーズしている姿を大人数で見られてたら、私単なる変な人になるところだったもの。
「?
…っていうか!!そうそう。
美優ちゃんクラス表見に行った?」
「そういえば!…まだだよ」
遼さんの妹発言でクラス表を見に行くことが頭からすっかり抜け落ちてたよ…。
「俺さっき見に行ったんだけど、美優ちゃんとクラス一緒だった!!2組!」
「へぇー……って本当!?」
やったぁ!
颯太くんと一緒になれるなんて。心強い。
エスカレーター式の私立だからか、女の子のグループは固まってるみたいだから、ちょっと不安だったんだよね。
颯太くんがいれば、クラスに馴染みやすくなりそう!
「嬉しいっ!」
「俺もすげぇ嬉しい!!」
私の言葉に即答した颯太くん。
それが何だかくすぐったくて。
互いに顔を見合って、笑った。
「――私達さ、予備校も学校もクラスも一緒なんて、運命みたいじゃない!?」
何気なく言った一言。
だけど、ずっと心の中で思っていたこと。
単に"それだけ"の発言だった。