極上ブラザーズ!!(仮)
「……もーいいよ。言う」
「え?」
戸惑ってる私に、颯太くんは半ば投げやり気味。
――こんな颯太くん初めて見る。
まだ会って間もないけど、こういう態度する人じゃなかった。
「俺さ。美優ちゃんのこと好きなんだ。
一目ぼれ…なのかな。
話してみたら、すげぇいい子で、可愛くて」
「そ、颯太くん……」
言われたコトが信じられなかったけど、
颯太くんの顔は赤みを帯びていて――何より真剣な目つきだった。
(颯太くんが私のこと――好き?)
――胸がきゅうと締め付けられた。
そんなこと男の子に言われたことなんか今までに一度もない。
漫画の世界でしかないと思ってた、告白。
まさか自分がされるとは思わなくて。
――しかも、颯太くんに。
ドキドキした。
嬉しいって気持ちと驚きの気持ちが、私の心の中を支配する。
「食べることが好きなんだなぁって分かる、あの幸せそうな顔も好き」
「……な、なにそれぇ!!!」
顔を膨らませても、颯太くんは口元を緩め笑っただけだった。
友達にしたら、マンボウみたいだってバカにされたのに。
颯太くんはバカにしない。私のことを目を細め、優しく見つめてくれる。
……これが"好かれてる"ってコト……なの?