極上ブラザーズ!!(仮)
Chapter1.The first meeting
私は“根は優しい”という高瀬さんの発言に安心しきっていた。
だけど――現実はそう、甘くなかった。
ガチャッ
2人が帰宅した時、玄関で出迎え、「はじめまして」と私は元気良く挨拶をした。
もちろん精一杯の笑顔で。
……なのに。
この状況は何?
2匹の狼にいじめられている赤ずきんちゃんみたいなんですけど。
「は じ め ま し て。
君が、古川美優さん?
ああ…押しかけ居候人さんですね。
全く…父さんも困った人です」
メガネをかけた一見、優しそうな人が微笑む。
丁寧な敬語にも関わらず言葉尻はキツイ。
!?
根は優しいんじゃないの?
話が違うよ…、高瀬さん……。
「……え、あの…」
戸惑っている私を見ることなく、その人は私を横切りリビングへと向かった。