【完】TEARS−ティアーズ−


終礼が終わり、あたしは慌てて鞄に荷物を詰め込む。



だって!!!



さっき休み時間、郁君が突然来て。


『部活前にまた来るから。先に帰るなよ?』

って言ってたから。


ちゃんと説明しなきゃいけないんだろうけどさ。


こんな話を信じてくれるなんて思う?


あたしなら信じないよ。

信じれるわけないじゃん。


親に交際相手を決められるなんて。

いつの時代の話? って思うよね、普通。


それを断る為とはいえ、なんの関係もない郁君を巻き込んじゃって。



だけど。

もし嘘吐いたことがママにバレたら、今すぐにでも結婚! なんて言い出しかねない。


それだけは絶対に嫌!!!


少しの間だけでいいんだ。

彼氏がいるってわかってもらえれば、それでいい。


高峰さんだって、本当にあたしの事が好きなんかじゃない。

パパとママに言われて断れないんだろうし。


だから、あたしに彼氏が居れば問題は解決するはず!
< 102 / 371 >

この作品をシェア

pagetop