【完】TEARS−ティアーズ−
終礼が終わり、あたしは慌てて鞄に荷物を詰め込む。
だって!!!
さっき休み時間、郁君が突然来て。
『部活前にまた来るから。先に帰るなよ?』
って言ってたから。
ちゃんと説明しなきゃいけないんだろうけどさ。
こんな話を信じてくれるなんて思う?
あたしなら信じないよ。
信じれるわけないじゃん。
親に交際相手を決められるなんて。
いつの時代の話? って思うよね、普通。
それを断る為とはいえ、なんの関係もない郁君を巻き込んじゃって。
だけど。
もし嘘吐いたことがママにバレたら、今すぐにでも結婚! なんて言い出しかねない。
それだけは絶対に嫌!!!
少しの間だけでいいんだ。
彼氏がいるってわかってもらえれば、それでいい。
高峰さんだって、本当にあたしの事が好きなんかじゃない。
パパとママに言われて断れないんだろうし。
だから、あたしに彼氏が居れば問題は解決するはず!