【完】TEARS−ティアーズ−
「はぁ、どうしよう」
そんな事を呟いた時だった。
「あ、篠原!」
「え? あ、郁君?」
目の前で、あたしを指差しているのはユニフォーム姿の郁君。
「お前、なんでこんなところにいるわけ?
俺、教室で待ってろっつたよな?」
あ。
郁君に言われて思い出した。
あたし郁君との約束すっぽかしたんだった。
ヤバッて顔が出たんだと思う。
「ふーん。そういうことね」
って郁君は少し怒った顔で頷いた。