【完】TEARS−ティアーズ−


「あ、そうだ。
郁君ケガ大丈夫?」

「え? ケガ?」



って、おい!


そう言いながら俺の腕に近付いた篠原があまりにも近くて。


焦った。



「うわー。血滲んでるね」



絆創膏に滲んだ血を見た篠原が顔をあげると、

その距離はもっと縮まって。



「……っ」



それに驚いた篠原はパッと顔をそむけた。
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