【完】TEARS−ティアーズ−
な、なんなんだよ。
近付いてきたのは篠原の方からだろっ。
冷静になろうとしても、なんか胸がドキドキしちまって。
だー!!!
なんだこれ。
意味わかんね。
「手当て……」
「え?」
「傷の手当てしてたの、マネージャーさんだったね」
「あ、ああ」
顔をそむけたままだから、どんな顔かなんて見えないけど。
なんか、その声は寂しそうに聞こえて。
「篠原?」
顔を覗きこむと、一瞬目を大きく開いた篠原が笑顔になった。