【完】TEARS−ティアーズ−
あ、そうだ。
高峰さんは!?
校門前で気付き、辺りを見回した。
あー、よかった。
もう帰ってくれたんだ。
ホッとしたあたしは胸をなでおろす。
「何してんの?」
「へ?」
数歩先で振り返り、不思議そうに首を傾げてる郁君。
「あ、別に。何でもないよ」
「ふーん、変な奴」
「あ、また変って言ったー」
「だって篠原、変じゃん」
「変じゃないよ!」
「いやぁ、変だろ」
「変じゃないですぅー」
失礼しちゃう。
あたし変なんかじゃないもん。