【完】TEARS−ティアーズ−


「いや、絶対変だって。
初めて会った時も、いきなり転んで現れたし」

「う……」



確かに。



「“日替わり弁当”って大声出してたし」

「あ……」



聞かれてたんだ。



「風船貰うし」

「ぬ……」



欲しかったんだもん。



「俺のこと彼氏だと急に言うし」

「……」



あ……



「な? 変だろ?」



クスクス笑いながら、“彼氏”だなんてサラッと言わないで欲しい。


そんな嘘のことにも、あたしは反応してしまう。

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