【完】TEARS−ティアーズ−
「本当は、もっと良い高校に行って欲しかったんだけどねぇ」
チクッと刺さる言葉。
「あんな私立、誰でも入れるレベルなのよ?」
んなわけないじゃない!
ママの基準はおかし過ぎるよー。
「乃亜のレベルのギリギリだったから仕方ないんだけど」
ううう。
「塾なんかじゃなくて、もっと早くから家庭教師の先生をつければ良かったかしら」
家庭教師の先生だって、中2からつけられて。
しかも塾にも通ったままで。
どれだけ宿題が大変だったと思ってるのよー。
「つけた家庭教師の先生が悪かったのかしらねぇ?」
いやいや。
家庭教師の先生、有名大学に通ってたし。
その中でもトップの成績を誇る人だったもん。
絶対にあたしの頭が悪かったんだよ。
「本当は大学受験を頑張って欲しかったのよ?」
わぁ……大学の話になっちゃった。