【完】TEARS−ティアーズ−


「本当は、もっと良い高校に行って欲しかったんだけどねぇ」



チクッと刺さる言葉。



「あんな私立、誰でも入れるレベルなのよ?」



んなわけないじゃない!

ママの基準はおかし過ぎるよー。



「乃亜のレベルのギリギリだったから仕方ないんだけど」



ううう。



「塾なんかじゃなくて、もっと早くから家庭教師の先生をつければ良かったかしら」



家庭教師の先生だって、中2からつけられて。

しかも塾にも通ったままで。

どれだけ宿題が大変だったと思ってるのよー。



「つけた家庭教師の先生が悪かったのかしらねぇ?」



いやいや。

家庭教師の先生、有名大学に通ってたし。

その中でもトップの成績を誇る人だったもん。

絶対にあたしの頭が悪かったんだよ。



「本当は大学受験を頑張って欲しかったのよ?」



わぁ……大学の話になっちゃった。
< 181 / 371 >

この作品をシェア

pagetop