【完】TEARS−ティアーズ−



「え……」



放課後、部活に向かう俺の足が止まったと同時に、小さく声が出た。


視線の先には、校門があって。

その先には黒い車に乗り込もうとする、篠原の姿。



あの車……。



確か篠原が『この人とお付き合いしてるんです!』そう言った時に見た、高峰の車。


なんだよ、やっぱりあの男と付き合う事にしたわけ?

告白されてたもんなぁ。

親が勝手に決めたとか言って、篠原もまんざらじゃなかったんじゃん。


じゃあ、俺に告白したのは何だったわけ?

俺の事……好きだって言ったのは、何だったんだよ。
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